理事が持ち回りで近況報告や最近の思いを綴ります。
今回は守屋理事からの寄稿です。お楽しみください。
昨年は、相次いで両親を亡くすことになり、喪失感をかかえ、様々な思いで日々を送って来ました。
遺品を整理すると、母方の祖父が、横浜の正金銀行で働いていた若かりし日の写真が出てきて、思いがけず、私がソニーに入社した頃の記憶がフラッシュバックしました。それは、祖父、井深保はソニー創業者井深大の従兄弟にあたり、ソニー黎明期に銀行家であった祖父と付き合いもあったと聞いているからです。身内からは、亡くなった祖父が、私をソニーに呼んだと言われましたが、もしそうであれば、途中で他社に転職をしてしまったことを残念に思っているかもしれません。私自身は転職して本当に良かったと思っていますが、井深大、井深保が並んで写っている写真を見ると、おまえはそれで社会に貢献したのか、と言われているようで居心地が悪くなります(していないと本人が自覚しているからですが)。
その祖父との思い出は薄れていくばかりですが、戦時中の話は忘れたことはありません。家は焼夷弾によって焼け落ちてしまい、空襲のなか子供をかかえて逃げたとき、米軍パイロットと目が合うくらい至近距離だったなど、生々しい生存への戦いは、本当に細い運命の糸を手繰り寄せることだったと感じさせます。私の名前と同じ、モリヤという聖地があるイスラエルには親近感を抱いてきましたが、今、戦争をしかけている国になってしまい複雑な思いです。イスラエルの代理店オーナーは親日家で、営業会議で会うのが楽しみな一人でしたが、再会しても、また同じように話をできないのでは、と考えると寂しい限りです。
そんな折に改めて見ると、写真の祖父は、今からでも何かできることがあるだろう、と問いかけてくれていると思いなおし、次のステップとして考えてきたことの一つ、しばらく東京を離れてみることにしました。
2026.4 守屋
