―モノづくりへの関与:商社から解体業へ― 込山理事

理事が持ち回りで近況報告や最近の思いを綴ります。
第5回目は込山理事より寄稿いただきました。お楽しみください。

 私は、2020年に45年勤めた商社を卒業、今は縁がありプラント解体のトータルマネージメント会社の取締役 監査等委員をしております。
 商社時代ほとんどの期間、資源の無い日本の製造業の原料となる製鉄原料や非鉄金属原料等の金属資源の調達に携わりました。商社のビジネスモデルの変化や世界の大幅な資源需要増加に伴い、1990年以降は資源確保の為には投資が必須となり、この投資関連事業に専心しました。携わった投資資源は、石炭、鉄鉱石、ニッケル、モリブデン、銅、アルミ等10数種類、投資対象国はオーストラリア、ブラジル、カナダ、米国など約10か国に及びました。思い起こせば、投資に至るまでの鉱区保有者との厳しい交渉、投資後のむずかしい鉱山運営など、苦労の多い厳しい時間の連続でした。10か国に亙る投資対象国の国民性、仕事の仕方はすべて異なり、日本流は全く通用せず、想像以上の苦労の連続でした。ただ、そのような苦労や厳しさを、この資源を手に入れなければ世界に負けない日本の高品質の製品が出来ないのだということを常に言い聞かせ乗り越えてきました。このようにして、金属資源を世界で確保することで、日本のモノづくりを成り立たせる役割の一端を担い続けた商社時代でした。
 一方、2023年から解体業に転身しました。高度経済成長時多くのプラントが建設されましたが、それから約50年、多くの工場が寿命を迎え、更新の為の解体を待っています。解体は、単純にプラントを作った時と反対に壊せば良いという訳ではありません。安全は勿論、いかに早く効率的に、時には美しく解体することが重要であり、この解体技術の開発(例:球形ガスタンクのりんご皮むき工法など)が会社の特徴になっています。また、このご時世、脱炭素解体、解体廃材のリサイクルやリユースが大きな課題となっており、積極的に取組んでいます。解体とは単に壊すことと思われがちですが、それは本質ではありません。解体は次の世代のモノづくりを行う製造設備を構築するために欠かせない行為なのです。このように、今は以前とは異なった形でモノづくりに関与しています。

 

 

 

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